『灯火』Vaundy。”妄想ストーリー 告白編”

Vaundy

このページは別記事で描いたVaundyの『灯火』という曲をモチーフにした、私の妄想ストーリーの告白編ですφ(・ω・`)

元記事を読んでいない方は、元記事からご覧になっていただければ幸いです。ρ(._.*)ρ

それでは「灯火 告白編」(´っ・ω・)っすた~と

『灯火(告白編:名前のない関係の、その先へ)』

第一章:変わらない距離

ライブの帰り道。

夜風が、少しだけ柔らかい。

コツ、コツ。

足音が並ぶ。

あの頃と同じ距離。

隣にいることも、
何も言わなくてもいい時間も、
全部、当たり前になっている。

でも——

「……なぁ」

ふと、口を開く。

自分でも、少しだけ迷いながら。

「ん?」

月菜が、いつも通りに返す。

変わらない声。

変わらない距離。

だからこそ——

「これってさ」

言葉を探す。

でも、うまく出てこない。

「……なんだろうな」

結局、曖昧になる。

月菜が、少しだけこっちを見る。

「何が?」

その問いに、少しだけ視線を逸らす。

「いや……」

誤魔化そうとする。

でも——

やめる。

ここで逃げたら、多分一生言わない。

「俺たちってさ」

少しだけ、呼吸を整える。

「どういう関係なんだろうな」

言った瞬間、空気が少しだけ変わる。

風が止まった気がした。

月菜は、すぐには答えない。

少しだけ、間が空く。

その時間が、やけに長く感じる。

「……今さら?」

小さく、そう言う。

でも——

その声は、少しだけ柔らかかった。

「いや、まぁ……」

苦笑する。

「今さらなんだけどさ」

本当に、今さらだった。

ここまで一緒にいて。

ここまで支え合って。

それでも——

名前がなかった。

それが、急に気になった。

「……別に」

月菜が、前を向いたまま言う。

「そのままでよくない?」

その答えは、予想通りだった。

でも——

それでも、引けなかった。

「いや、でもさ」

少しだけ、踏み込む。

「ちゃんと知っときたいっていうか」

何を言ってるのか、自分でも分からない。

でも——

止まれなかった。

月菜が、少しだけ息を吐く。

「……めんどくさいな」

そう言いながら、少しだけ笑う。

でも——

逃げてはいない。

「で?」

視線を向ける。

「何が聞きたいの」

その言葉で、逃げ道がなくなる。

答えないといけない。

自分の言葉で。

「……俺は」

一瞬、言葉が詰まる。

でも——

言う。

「月菜といるのが、一番いい」

それは、嘘じゃなかった。

音楽も、
時間も、
全部含めて。

「それってさ」

少しだけ笑う。

「どういう意味?」

試すような言い方。

でも——

ちゃんと聞いている。

だから——

「……好きってことなんだと思う」

言い切る。

曖昧にしない。

逃げない。

その一言で、全部変わると分かっていても。

月菜は、何も言わない。

ただ、少しだけ足を止める。

コツ——

足音が、途切れる。

その沈黙が、重い。

でも——

嫌じゃない。

ちゃんと、待てる。

「……そっか」

やっと出た言葉。

小さい。

でも——

確かに届いた。

「うん」

それだけ返す。

それ以上は言わない。

押さない。

選ぶのは、月菜だから。

しばらく、沈黙。

風だけが通る。

夜の音が、少しだけ戻ってくる。

そして——

「ずるいな」

月菜が、ぽつりと言う。

「何が」

「先に言うの」

少しだけ、笑う。

でも——

その声は、少しだけ震えていた。

「……ごめん」

思わず、そう言う。

でも——

「別に」

すぐに否定される。

「謝ることじゃないでしょ」

その言葉に、少しだけ息を吐く。

「……どうする?」

聞く。

答えを急かすわけじゃない。

でも——

知りたかった。

月菜は、少しだけ空を見る。

何も見えない空。

でも——

しばらく、そのまま。

そして——

「……私も」

小さく、言う。

「同じだよ」

その一言で、全部が変わる。

空気も、距離も、意味も。

でも——

何も変わらない気もする。

隣にいることも。

歩いていることも。

全部、そのまま。

ただ——

名前がついただけ。

それだけ。

「……そっか」

小さく笑う。

それ以上は言わない。

言葉にすると、壊れそうだったから。

コツ、コツ。

また歩き出す。

足音が重なる。

さっきまでと同じ。

でも——

少しだけ違う。

隣にいる理由が、はっきりしたから。

「ねぇ」

月菜が、小さく言う。

「これ、変わると思う?」

その問いに、少しだけ考える。

そして——

「変わらないだろ」

即答する。

「今まで通りでいい」

それが、本音だった。

無理に変える必要はない。

「……だね」

月菜が、少しだけ笑う。

安心したように。

コツ、コツ。

足音が、夜に響く。

見えない未来。

それは、変わらない。

でも——

隣にいる意味は、少しだけ変わった。

灯りは、ひとつじゃない。

重なって、少しだけ強くなる。

それだけで、十分だった。

第二章:少しだけ違う距離

スタジオの前で、一瞬だけ足が止まった。

ドアノブに手をかけたまま、動けなくなる。

「……なんだこれ」

小さく呟く。

昨日までは、何も考えずに入っていた場所。

でも今日は——

少しだけ、違う。

理由は分かっている。

分かっているけど、どう扱えばいいのか分からない。

「……入るか」

小さく息を吐いて、ドアを開ける。

中は、いつも通りだった。

機材の匂い。
少しだけこもった空気。
壁に反射する音の残り。

何も変わっていない。

でも——

「おはよ」

月菜が、すでに中にいた。

ギターを手に持って、軽く弦を触っている。

その姿も、いつも通り。

でも——

「……おはよ」

返事が、ほんの少しだけ遅れる。

自分でも分かる。

一瞬、言葉を選んだ。

“どういうテンションで話せばいいか”を。

それが、変だった。

昨日までは、考えもしなかったのに。

「……なんかさ」

思わず口に出る。

「変じゃない?」

月菜が、こっちを見る。

「何が?」

その反応は、普通だった。

でも——

その“普通”が、逆に引っかかる。

「いや、なんか……」

言葉が出てこない。

違和感はあるのに、形にならない。

「……意識しすぎじゃない?」

月菜が、少しだけ笑う。

その一言で、少しだけ力が抜ける。

「ああ……」

苦笑する。

「それか」

たぶん、そうだ。

“変わった”んじゃなくて、
“変わったと思ってる”。

その意識が、距離を作っている。

「別に、昨日と何も変わってないでしょ」

月菜が、淡々と言う。

事実だけを。

「……まぁ、そうなんだけど」

頷く。

実際、何も変わっていない。

スタジオに来て、
音を鳴らして、
一緒にやる。

全部、同じ。

でも——

「なんか、ちょっとだけ近い気がする」

ぽつりと呟く。

それは、距離の問題じゃない。

物理的には、何も変わっていない。

でも——

“意味”が変わった。

そのせいで、少しだけ意識してしまう。

月菜が、少しだけ視線を逸らす。

「……それは、そうでしょ」

小さく言う。

少しだけ、声が柔らかい。

その反応に、少しだけ安心する。

ああ、同じなんだ。

感じていることが。

「……どうする?」

聞く。

何をどうするのか、自分でも分からない。

でも——

聞きたかった。

この空気を。

月菜が、少しだけ考える。

そして——

「別に」

肩をすくめる。

「そのままでよくない?」

その答えは、シンプルだった。

でも——

すごくしっくりきた。

「……そのまま、か」

繰り返す。

あえて、言葉にする。

「うん」

短く頷く。

「変えようとすると、変になるし」

その通りだった。

今、まさにそれをやっている。

“変わったから変えなきゃ”って思っている。

でも——

それが一番不自然だった。

「……確かに」

少しだけ笑う。

力が抜ける。

「あー、なんかバカらしいな」

「でしょ」

月菜も、少しだけ笑う。

その笑い方も、いつも通りだった。

それで、十分だった。

「じゃあ、やるか」

ギターを手に取る。

指を置く。

少しだけ深呼吸。

そして——

弾く。

ジャラン——

音が鳴る。

いつも通りの音。

でも——

ほんの少しだけ、違う。

“距離が近い音”。

そんな感覚。

月菜の音が重なる。

ジャラン——

リズムが合う。

少しだけズレる。

でも——

すぐに戻る。

その感覚が、やけに自然だった。

「ああ……」

小さく息を吐く。

これでいい。

無理に変えなくていい。

無理に意識しなくていい。

今までの延長でいい。

「ねぇ」

弾きながら、月菜が言う。

「うん?」

「さっきの話さ」

少しだけ間を置く。

「近いってやつ」

その言葉に、少しだけ手が止まりそうになる。

でも——

止めない。

続ける。

「……ああ」

「悪くないよ」

その一言で、全部が整う。

良かった。

そう思える。

変わったことが。

「……だな」

小さく頷く。

それ以上は言わない。

言葉にすると、少し軽くなる気がしたから。

ジャラン——

音が重なる。

前と同じ。

でも——

少しだけ違う。

灯りが、ひとつからふたつになったみたいに。

それだけの違い。

でも——

それで十分だった。

第三章:ぶつかる温度

スタジオの空気が、少しだけ張っていた。

理由は分かっている。

さっきから、同じところで止まっている。

「……そこ、違う」

月菜が言う。

いつもより、少しだけ強いトーン。

「いや、こっちの方が良くない?」

反射的に言い返す。

前なら——

ここで流していた。

「まぁいいか」って、適当に合わせていた。

でも今は——

引けない。

「なんで?」

月菜が聞く。

短く、真っ直ぐに。

「なんでそう思うの」

その問いに、一瞬言葉が詰まる。

「……なんとなく」

正直に言う。

でも——

その瞬間、空気が一段階冷える。

「それじゃ分かんない」

月菜の声が、少しだけ硬くなる。

「理由になってない」

その言葉が、少しだけ刺さる。

「……いや、でもさ」

言い返そうとする。

でも、うまく言葉にならない。

分かっている。

自分でも、曖昧だって。

でも——

「感覚で分かるときもあるだろ」

やっと出た言葉。

少しだけ強くなる。

「あるよ」

月菜が即答する。

「でも、それを言葉にしないと伝わらない」

その正論に、少しだけ黙る。

分かっている。

でも——

納得できない。

「……なんかさ」

少しだけ苛立ちが混ざる。

「前より面倒くさくなってない?」

その言葉が、空気を切る。

一瞬、音が止まる。

静寂。

でも——

月菜は、すぐに答える。

「なってるね」

あっさりと。

否定しない。

逃げない。

その反応に、逆に戸惑う。

「……いや、そこ否定しろよ」

思わず言う。

月菜が、少しだけ笑う。

「だって本当でしょ」

軽く言う。

でも——

その目は、ちゃんとこっちを見ている。

「前より、ちゃんと考えてる」

一歩、近づく。

「どうでもよくないから、言ってる」

その言葉に、何も返せなくなる。

図星だった。

どうでもよかったら、ここまで言わない。

ぶつかることもない。

「……」

沈黙。

少しだけ息が重い。

でも——

嫌じゃない。

逃げたいわけでもない。

ただ——

整理が追いついていない。

「ねぇ」

月菜が、少しだけ声を落とす。

「ちゃんとやろうとしてるでしょ」

その言葉に、少しだけ目を逸らす。

「……まぁな」

正直に答える。

「でもさ」

月菜が続ける。

「“ちゃんとやる”と“良くなる”は別だよ」

その一言で、空気が変わる。

静かに。

でも、確実に。

「……どういう意味だよ」

聞く。

今度は、ちゃんと。

「さっきのやつ」

ギターを軽く鳴らす。

ジャラン——

「整ってたけど、何もなかった」

その言葉が、胸に落ちる。

まさに、それだった。

「で、さっきの“なんとなく”の方は」

もう一度、弾く。

少しだけ荒い音。

「崩れてたけど、ちゃんとあった」

その対比が、はっきりする。

ああ——

そうか。

自分が言いたかったのは、それだ。

「……言えよ、最初から」

小さく笑う。

「言わせるために聞いてるんでしょ」

月菜が、少しだけ得意げに言う。

その顔を見て、少しだけ肩の力が抜ける。

「……めんどくさいな」

「でしょ」

軽く返される。

でも——

そのやり取りが、どこか心地いい。

ぶつかっても、壊れない。

むしろ——

少しだけ、近くなる。

「……もう一回やるか」

ギターを構える。

今度は、ちゃんと意識する。

整えすぎない。

でも、崩しすぎない。

その間。

「うん」

月菜が頷く。

音を鳴らす。

ジャラン——

今度は、少しだけ違う。

さっきよりも、近い。

自分の中に。

月菜の音が重なる。

リズムが揺れる。

でも——

止まらない。

続ける。

ジャラン、ジャラン——

音が、ぶつかる。

でも、そのぶつかりが気持ちいい。

「……ああ」

小さく息を吐く。

これだ。

探してたのは。

言葉にできなかった感覚。

それが、少しだけ形になる。

演奏が終わる。

静寂。

でも——

さっきとは違う。

ちゃんと“残っている”。

「……今の」

「うん」

月菜が頷く。

「いいね」

その一言で、全部が報われる。

「……だな」

小さく笑う。

ぶつかった意味が、ちゃんとあった。

「ねぇ」

月菜が、少しだけ柔らかい声で言う。

「こういうの、増えると思うよ」

「……だろうな」

苦笑する。

でも——

嫌じゃない。

むしろ——

「悪くない」

正直にそう思えた。

ぶつかることも、
言い合うことも、
全部含めて。

“ちゃんと向き合ってる”ってことだから。

ジャラン——

もう一度、軽く弾く。

音が、少しだけ強くなる。

ひとつだった灯りが、

ぶつかって、

揺れて、

でも消えずに、少しだけ大きくなる。

そんな感覚だった。

第四章:隣にいる意味

帰り道。

いつもと同じ道。

同じ時間。

同じ並び方。

コツ、コツ。

足音が重なる。

あの頃と、何も変わらないはずなのに——

「……なんかさ」

ふと、口を開く。

「うん?」

月菜が、軽く返す。

その声も、いつも通り。

でも——

少しだけ違って聞こえる。

「やっぱ、ちょっと変わったよな」

正直に言う。

曖昧にしない。

その方が、ちゃんと届く気がしたから。

月菜が、少しだけ前を見る。

すぐには答えない。

その間が、やけに長く感じる。

「……うん」

小さく、頷く。

「変わったね」

その一言で、確信する。

やっぱりそうなんだ。

自分だけじゃない。

同じことを感じている。

「何が?」

あえて聞く。

言葉にしたかった。

「うーん……」

少しだけ考える。

「距離、かな」

その言葉に、少しだけ息を吐く。

やっぱりそこか。

でも——

「でもさ」

続ける。

「近くなったっていうより」

言葉を探す。

「“近いって分かるようになった”感じじゃない?」

言いながら、自分でも少し驚く。

でも——

しっくりくる。

月菜が、少しだけ目を細める。

「……それ、分かる」

小さく笑う。

「前から近かったけど」

少しだけ間を置く。

「ちゃんと認識した、みたいな」

その言葉に、頷く。

まさに、それだった。

何も変わっていない。

でも——

意味が変わった。

「ねぇ」

月菜が、少しだけ真面目な声になる。

「怖くない?」

その問いに、一瞬だけ足が止まりそうになる。

「……何が」

「こういうの」

言葉を選ぶように続ける。

「関係、変わるの」

その声は、小さかった。

でも——

ちゃんと本音だった。

少しだけ考える。

怖いかどうか。

正直に。

「……ちょっとは」

そう答える。

嘘はつかない。

「でも」

そのまま続ける。

「壊れる気はしない」

その言葉に、月菜が少しだけこっちを見る。

少し驚いたような顔。

「なんで?」

その問いに、少しだけ笑う。

「今まで、壊れてないし」

シンプルな理由。

でも——

それが一番強い。

迷ったときも、
見えなくなったときも、
ぶつかったときも。

それでも——

ここまで来ている。

「……そっか」

月菜が、小さく頷く。

少しだけ安心したように。

コツ、コツ。

また歩き出す。

夜の空気が、少しだけ柔らかい。

「ねぇ」

月菜が、もう一度口を開く。

「付き合ってさ」

少しだけ間を置く。

「よかった?」

その問いに、少しだけ笑う。

そんなの、決まってる。

「……ああ」

頷く。

「よかった」

迷いはなかった。

それだけで十分。

月菜が、少しだけ笑う。

「私も」

短く、それだけ。

でも——

その一言で、全部が満たされる。

沈黙。

でも——

嫌じゃない。

むしろ、落ち着く。

コツ、コツ。

足音が、夜に溶けていく。

「なぁ」

ふと、口を開く。

「うん?」

「これからさ」

少しだけ言葉を探す。

「もっと変わると思う?」

その問いに、月菜が少しだけ考える。

そして——

「変わるでしょ」

即答。

でも——

その顔は、少しだけ楽しそうだった。

「でも」

続ける。

「変わってもいいんじゃない?」

その言葉に、少しだけ息を吐く。

ああ——

そうか。

変わることを怖がらなくていい。

むしろ——

変わりながら続いていく。

それが、この関係。

「……だな」

小さく頷く。

全部そのままじゃなくていい。

でも——

芯は変わらない。

それが分かっているから。

「ね」

月菜が、少しだけ近づく。

ほんの一歩分。

「これからも、よろしく」

その言葉に、少しだけ笑う。

「こっちこそ」

それだけで十分だった。

言葉は少なくていい。

分かってるから。

コツ、コツ。

足音が、重なる。

ひとつだった灯りが、

ふたつになって、

揺れながら、

でも消えずに、少しずつ強くなる。

この先も、きっと同じ。

迷って、ぶつかって、変わって。

それでも——

隣にいる。

それが、全部だから。

~完~

完結編のストーリも書いてみましたのでもしよろしければ読んでみてくださいρ(._.*)ρ

また、他にも『Vaundy』の名曲を紹介しておりますので併せてご覧くださいρ(._.*)ρ

コメント