本日ご紹介するのは、『Vaundy(バウンディ)』のナンバーから
『偉生人』【作詞・作曲:Vaundy】
歌詞全文はこちらのリンクから→https://www.uta-net.com/song/382470/
Vaundyの楽曲「偉生人」(いせいじん)は、2025年10月29日に配信リリースされたデジタルシングルです。NHK大河ドラマ『青天を衝け』のインスパイアードソングとして書き下ろされた楽曲で、歴史的なテーマから着想を得た作品となっています。
この曲の歌詞をざっくり考察します。(´っ・ω・)っすた~と
Vaundyの**「偉生人」**は一言で言うと、
「理想を追って壊れた人間が、“足りないまま生きる覚悟”に辿り着く物語」
① 冒頭:理想郷=“間違ったスタート地点”
理想郷探した
誰より早く
間違いなく辿り着くためにVaundy「偉生人」作詞・作曲:Vaundy
ここは完全に“若い頃の思考”。
- 理想を「場所」として捉えている
- 早く行けば勝ちだと思っている
- 正解ルートがあると思っている
つまり
「人生に答えがある前提で走っている状態」
僕ら昔は灯台の下を探す子供のまま生きてた
Vaundy「偉生人」作詞・作曲:Vaundy
これはかなり重要。
灯台の下=本当はすぐ近くにあるもの
なのに人は、
- 遠くに答えがあると思う
- “特別な何か”を探そうとする
つまり
「すでにあるものを見ずに、ないものを探し続ける」
今もそんなに変わってないみたいだ
ここで気づく。
👉**「大人になっても本質は変わっていない」**
② 中盤:他人を傷つけて生きている自覚
そんな僕らは何千と違う心に穴を開けて生きてた
Vaundy「偉生人」作詞・作曲:Vaundy
これは一気に現実に引き戻される部分。
- 自分の選択
- 自分の言葉
- 自分の生き方
それが知らないうちに
“誰かを傷つけている”
ここで重要なのは
「悪意じゃないのに傷つけてしまう」
というリアルさ。
実はそんなに変わってないんだって
Vaundy「偉生人」作詞・作曲:Vaundy
ここでも繰り返される。
人は本質的には未熟なまま
③ 核心:足りなさ=未来を作る
先生ここにあるものじゃ
全然足りなかったような
悲しみが未来を
そう、作っているってVaundy「偉生人」作詞・作曲:Vaundy
ここがこの曲の“核心”。
普通は
- 悲しみ=マイナス
- 失敗=ダメなこと
と考える。
でもこの曲は逆。
**「足りなさ」「悲しみ」こそが未来の材料」**
つまり
- 欠けているから進む
- 失ったから探す
- 苦しいから変わる
未完成だからこそ人は動く
④ 子供→大人の変化
子供の頃は世界を守って精一杯
Vaundy「偉生人」作詞・作曲:Vaundy
これは“理想の純粋さ”。
でっかくなったが変わることが苦しいなら
やめてたのにVaundy「偉生人」作詞・作曲:Vaundy
ここはかなり深い。
変わることは苦しいのに、やめなかった
つまり
人は“苦しいとわかっていても変わろうとする生き物”
⑤ 本質:葛藤と愛しさ
胸にいっぱいの葛藤と愛しさでまだ
変わることができてたVaundy「偉生人」作詞・作曲:Vaundy
ここで重要なのは2つ
- 葛藤(苦しさ)
- 愛しさ(大切にしたいもの)
この2つがセットだから人は変われる
苦しさだけなら壊れるし、
優しさだけなら止まる。
その間で揺れるから進める
⑥ 後半:理想の再定義
理想郷目指した
誰より早く
間違いなく
自分のためにVaundy「偉生人」作詞・作曲:Vaundy
ここで気づく。
最初は“正しい場所を探す”だったのに
自分のために
Vaundy「偉生人」作詞・作曲:Vaundy
理想は“外”じゃなく“内側”に変わる
さらに
そこから根差した
誰より高く
幸せ目指したVaundy「偉生人」作詞・作曲:Vaundy
理想=場所ではなく“生き方”へ変化
⑦ ラスト:答え
愛しさと未来を
もう、笑っていこうぜVaundy「偉生人」作詞・作曲:Vaundy
ここが最終結論。
人生は
- 足りない
- うまくいかない
- 思い通りにならない
それでも
**「笑って進もう」**
しかもこれはポジティブ思考じゃない。
全部理解した上での“選択”
ああもうつかれちまったろ
もう、笑っていこうぜVaundy「偉生人」作詞・作曲:Vaundy
ここが一番リアル。
- 疲れるのは当たり前
- しんどいのも当たり前
それでも進む
■ この曲の本質まとめ
この曲を一言で言うと
「完璧になれない人間が、“未完成のまま進む覚悟”を決める歌」
■ 最後に
この曲のタイトル「偉生人」は、
「偉い人」じゃない
**“未完成のままでも、生き続ける人”のこと**
つまり
- 完璧じゃなくていい
- 成功してなくてもいい
- 迷っていてもいい
それでも進む人が“偉生人”
以上私なりの歌詞解釈でした。
続きまして、この曲を聴いて膨れ上がった私の妄想ストーリ(歌詞解釈)をチラッとお見せいたします
|ω・)チラッ
『偉生人』
第一章:落ちた日
「お前、今回は外れることになった」
その一言は、あまりにも淡々としていた。
まるで、天気の話でもするみたいに。
研究室の蛍光灯は白すぎて、妙に現実感が薄い。
パソコンのファンの音だけがやけに大きく聞こえる。
「理由は、わかるよな」
教授は、こっちを見なかった。
僕も、頷くことしかできなかった。
わかっていた。
結果が出ていないことも、
期待に応えられていないことも。
でも、“わかっている”のと“受け入れる”のは、全然違う。
胸の奥に、何か重たいものが落ちた。
音もなく、でも確実に。
「次、頑張れ」
その言葉が、やけに遠く感じた。
――次なんて、あるのか。
そう思った瞬間、
自分でも驚くほど、何も感じなくなった。
悔しさも、
怒りも、
悲しみも、
全部、どこかに置いてきたみたいに。
ただ、空っぽだった。
研究室を出たとき、廊下はやけに長く感じた。
窓の外は夕方で、
オレンジ色の光が床に伸びている。
いつもなら、どこか綺麗だと思える景色なのに、
今日はただ、やけに“遠い”。
すれ違う人の声も、
笑い声も、
全部、膜の向こう側みたいにぼやけて聞こえる。
「おつかれー」
誰かが軽く声をかけてきた。
振り返って、なんとか笑おうとする。
「うん、おつかれ」
ちゃんと笑えていたのかは、自分でもわからない。
たぶん、うまくできていなかったと思う。
でも、それでよかった。
どうでもよかった。
外に出ると、風が少しだけ冷たかった。
春の終わりかけの、曖昧な空気。
暖かいのか寒いのか、はっきりしない。
――ちょうど今の自分みたいだ。
ふと、そんなことを思った。
ポケットの中のスマホが震える。
画面には、母親からのメッセージ。
「最近どう? 順調?」
その一言を見た瞬間、
喉の奥が詰まった。
返信はできなかった。
“順調じゃない”なんて、打てるわけがなかった。
“うまくいってる”なんて、もっと打てなかった。
画面を閉じて、ポケットに押し込む。
逃げた。
その事実だけが、やけに重く残る。
帰り道、信号待ちで立ち止まる。
赤信号が、やけに長い。
ぼんやりと前を見ていると、
隣に立っていた高校生たちの声が聞こえた。
「将来どうすんの?」
「いやー、とりあえず成功したいよな」
その言葉に、胸がチクッとした。
“成功したい”
あの頃の自分も、同じことを言っていた。
何も知らないくせに、
何でもできると思っていた。
理想郷を、本気で信じていた。
誰より早く辿り着けるって、
疑いもしなかった。
――でも現実は違った。
信号が青に変わる。
人の流れに押されるように、歩き出す。
足取りは重いのに、
周りの世界は普通に進んでいく。
置いていかれている気がした。
部屋に戻ると、静かすぎた。
電気もつけずに、ベッドに倒れ込む。
天井を見上げる。
シミの形が、やけに気になる。
こんなもの、前からあっただろうか。
どうでもいいことばかりが、
頭の中をぐるぐる回る。
その奥で、ひとつだけ、
はっきりした感情が浮かんでくる。
――足りなかった。
努力も、
才能も、
覚悟も、
全部、足りなかった。
だから、こうなった。
それだけの話だ。
シンプルすぎて、
逃げ場がなかった。
気づけば、外は完全に暗くなっていた。
時計の針だけが進んでいる。
時間は止まってくれない。
どれだけ立ち止まっても、
どれだけ沈んでも、
明日は来る。
それが、やけに残酷だった。
「……ああ」
小さく声が漏れた。
誰もいない部屋で、
自分の声だけが、やけに響く。
「終わったな」
何が終わったのかは、よくわからない。
でも確かに、
何かひとつ、取り返しのつかないものが終わった気がした。
理想も、
自信も、
“自分ならできる”っていう根拠のない確信も。
全部、ここで一度、死んだ。
それでも。
それでも、どこかで思ってしまう。
――まだ、終わってないんじゃないか。
その小さな違和感だけが、
胸の奥で、消えずに残っていた。
まるで、消えかけの灯火みたいに。
第二章:空っぽの部屋
目が覚めたのは、昼なのか夕方なのかも分からない時間だった。
カーテンは閉めたまま。
部屋の中は薄暗くて、空気が重い。
体を起こす気にもなれず、そのまま天井を見上げる。
昨日と同じシミが、そこにあった。
――ちゃんと世界は続いている。
そんな当たり前のことが、
なぜか少しだけ不思議に感じた。
自分の中では、何かが終わっているのに。
スマホを手に取る。
通知は、いくつか溜まっていた。
研究室のグループチャット。
友人からの何気ないメッセージ。
そして、昨日のまま止まっている母親の一言。
「最近どう?」
その短い文章が、やけに刺さる。
画面を見つめたまま、指が動かない。
“元気だよ”と打つのは簡単だ。
でも、それは嘘だ。
“うまくいってない”と打つのも簡単だ。
でも、それを認めたくなかった。
結局、何も打てずに画面を閉じる。
逃げることだけは、やけに上手くなっていた。
喉が渇いていることに気づいて、ようやく体を起こす。
キッチンまでの数歩が、やけに遠い。
冷蔵庫を開けると、ほとんど何も入っていなかった。
ペットボトルの水を一本取り出して、
そのまま口をつける。
ぬるい。
でも、どうでもよかった。
味も、温度も、
今の自分には関係なかった。
そのまま床に座り込む。
冷たいフローリングの感触だけが、やけにリアルだった。
何もする気が起きない。
何かを始めようとしても、
その前に“意味がない”という考えが浮かんでしまう。
――どうせ、またダメになる。
その一言で、全部止まる。
「何が足りなかったんだろう」
ぽつりと呟く。
声に出してみても、答えは出なかった。
努力はした。
少なくとも、自分なりには。
時間もかけた。
周りより遅くまで残ることもあった。
それでも、足りなかった。
じゃあ何が?
才能か。
センスか。
それとも、もっと根本的な何かか。
考えれば考えるほど、
“わからない”という事実だけが残る。
それが、一番きつかった。
ふと、昔のことを思い出す。
高校の頃、夜遅くまで友達と将来の話をしていた。
「絶対なんとかなるって」
根拠もないのに、そう言い切っていた自分。
あの頃の自分は、
今の自分を見たら、どう思うだろう。
きっと、がっかりする。
――いや、違う。
たぶん、何も言えない。
同じ場所に立たないと、
この感覚はわからないから。
ベッドに戻って、横になる。
目を閉じると、昨日の言葉が繰り返される。
「外れることになった」
「結果が出ていない」
「次、頑張れ」
その一つ一つが、
じわじわと心の奥に沈んでいく。
そして、あるところで止まる。
――足りなかった。
結局、そこに戻ってくる。
シンプルで、
残酷で、
でも否定できない事実。
時間の感覚が曖昧になる。
気づけば、また少し眠っていたらしい。
目を開けると、部屋はさらに暗くなっていた。
外の音も、少しだけ静かになっている。
世界は、確実に夜に向かっている。
自分だけが、取り残されているような気がした。
「……このままでいいのか」
小さく呟く。
答えは、すぐには出なかった。
でも、完全に“どうでもいい”わけではないことに気づく。
本当にどうでもよかったら、
こんなことすら考えないはずだ。
まだ、どこかで引っかかっている。
まだ、どこかで諦めきれていない。
その事実が、
少しだけ、怖かった。
胸の奥に、違和感が残る。
昨日から消えない、あの小さな灯火。
消えそうで、
でも消えない。
むしろ、静かに、しつこく残り続ける。
――まだ終わっていない。
その感覚だけが、
この空っぽの部屋の中で、唯一の“意味”だった。
「……めんどくさいな」
そう呟いて、苦笑する。
諦めきれない自分が、
少しだけ面倒で、
少しだけ、救いでもあった。
そのときだった。
静かな部屋に、突然音が鳴る。
――ピロン。
スマホの通知音。
画面を見ると、見慣れない名前が表示されていた。
「栞奈」
一瞬、時間が止まる。
記憶の奥にあった名前が、
急に現実に引き戻される。
高校の頃、よく話していたあの子。
どうして今、連絡が――
指が、少しだけ震える。
開くかどうか、迷う。
でも、目を逸らすことができなかった。
この通知が、
これからの全部を、少しだけ変えることになるなんて、
このときの僕は、まだ知らなかった。
第三章:再会
通知の画面を、しばらく見つめていた。
「栞奈」
その名前を、心の中でゆっくり読み上げる。
懐かしさと、戸惑いと、
少しの不安が混ざる。
どうして今。
なんて返せばいい。
そもそも、返すべきなのか。
指が、画面の上で止まったまま動かない。
意を決して、タップする。
トーク画面が開く。
そこにあったのは、たった一言だった。
「久しぶり。元気?」
その言葉は、
あまりにも普通で、
あまりにも変わっていなかった。
それが逆に、胸に刺さる。
“元気だよ”
と打ちかけて、消す。
“久しぶり”
とだけ打って、また消す。
何度も同じことを繰り返す。
簡単なはずの返事が、
どうしてこんなにも難しいのか。
結局、短く打った。
「久しぶり。まあ、なんとか」
送信ボタンを押した瞬間、
少しだけ息が詰まる。
既読がつく。
すぐに返信が来た。
「そっか。今、時間ある?」
一拍置いて、こう続く。
「ちょっと会えない?」
心臓が、少しだけ強く鳴った。
会う?
今の自分で?
何も上手くいっていない、
何も持っていない状態で?
一瞬、断る理由を探す。
でも、それよりも先に、
別の感情が浮かんでいた。
――会いたい。
その一言に、自分で少し驚く。
「いいよ」
気づけば、そう送っていた。
待ち合わせは、駅前の小さなカフェだった。
何度も通ったことのある場所。
でも今日は、初めて来るみたいに落ち着かない。
ドアを開けると、コーヒーの匂いが広がる。
少しだけ安心する。
奥の席を見渡す。
そして、すぐに見つけた。
「……あ」
目が合った。
栞奈は、ゆっくりと手を上げる。
その仕草が、
昔とほとんど変わっていなくて、
一瞬、時間が巻き戻ったような気がした。
席に近づく。
「久しぶり」
声に出すと、少しだけ現実味が増す。
「うん、久しぶり」
栞奈は、軽く笑った。
その笑い方も、
やっぱり変わっていなかった。
でも、どこか違う。
ほんの少しだけ、
柔らかくなっている気がした。
「なんか…ちょっと痩せた?」
唐突な一言に、思わず苦笑する。
「そうかも」
ちゃんと食べていないこと、
ちゃんと寝ていないこと、
全部、見透かされている気がした。
注文を済ませて、少しだけ沈黙が流れる。
気まずいわけじゃない。
でも、お互いに言葉を選んでいるような、
そんな間だった。
「で、どうしてたの?」
栞奈が、静かに聞く。
その声は、優しかった。
優しすぎて、
少しだけ逃げたくなるくらいに。
「……まあ、普通」
曖昧に答える。
嘘ではない。
でも、本当でもない。
その中途半端さが、
自分でも嫌になる。
栞奈は、少しだけ首を傾げた。
「“普通”って顔じゃないよ」
その一言で、
言葉が詰まる。
やっぱり、誤魔化せない。
少しだけ視線を落とす。
テーブルの木目が、やけにくっきり見える。
逃げ場みたいに、それを見つめる。
「……外された」
小さく、そう言った。
それだけで、
全部伝わってしまう気がした。
少しの沈黙。
責められるわけでも、
慰められるわけでもない時間。
ただ、そこに“理解”だけがある。
「そっか」
栞奈は、それだけ言った。
それ以上は何も言わなかった。
余計な言葉がなかった。
その“何も言わない”ことが、
逆に、救いだった。
「ね」
少しして、栞奈が口を開く。
「いいじゃん、別に」
あまりにも軽い言い方だった。
思わず顔を上げる。
「うまくいかないことくらい、あるでしょ」
そう言って、少しだけ笑う。
その笑顔は、
昔と同じで、
でも、少しだけ強かった。
その瞬間。
胸の奥で、何かが揺れた。
昨日からずっと沈んでいた感情が、
ほんの少しだけ、浮かび上がる。
“まだ、大丈夫かもしれない”
そんな、根拠のない感覚。
でもそれは、
確かにそこにあった。
コーヒーが運ばれてくる。
湯気が、ゆっくりと上に昇る。
その揺らぎを見ながら、
ふと思う。
世界は、ちゃんと動いている。
止まっていたのは、
自分の方だったのかもしれない。
「ねえ」
栞奈が、少しだけ真剣な声で言う。
「自分のこと、嫌い?」
その問いは、突然だった。
でも、不思議と、
避けることができなかった。
「……わかんない」
正直に答える。
それが一番近い気がした。
栞奈は、小さく頷く。
「そっか」
それだけ言って、
カップに口をつけた。
その横顔を見ながら、
ふと思う。
この再会は、
ただの偶然じゃない気がした。
何かが、
少しずつ動き出している。
まだ小さくて、
まだ不確かで、
でも確実に。
第四章:穴の正体
カップの中のコーヒーが、ゆっくりと揺れている。
栞奈のさっきの言葉が、
頭の中で何度も繰り返される。
「自分のこと、嫌い?」
簡単な問いのはずなのに、
答えはどこにも見つからなかった。
「……嫌い、なのかもな」
ぽつりと、あとから言葉が漏れる。
自分でも驚くくらい、素直な声だった。
栞奈は、少しだけ目を細める。
「そっか」
否定もしない。
肯定もしない。
ただ、そのまま受け取る。
「でもさ」
ゆっくりと続ける。
「それってさ、“終わってる人”の感情じゃないよ」
その言葉に、思わず顔を上げた。
「嫌いって思うってことはさ、
まだどこかで“こうなりたい自分”がいるってことでしょ?」
静かな声だった。
でも、まっすぐ刺さる。
胸の奥が、少しだけざわつく。
“こうなりたい自分”
そんなもの、もうどこかに置いてきたと思っていた。
「本当に全部どうでもよくなってる人ってさ、
そもそも“嫌い”とか思わないんだよ」
栞奈は、淡々と言う。
まるで、事実を説明するみたいに。
「……じゃあ、これはなんなんだよ」
思わず言葉が強くなる。
「何やっても足りないし、
何やってもダメで、
結局こうなってる」
握っていたカップに、少しだけ力が入る。
「それ、ちゃんと“見えてる”ってことじゃん」
すぐに返ってきた。
一瞬、言葉の意味が理解できなかった。
「足りないってわかってるってことはさ、
ちゃんと自分の位置、見えてるってことだよ」
栞奈は、まっすぐこっちを見る。
逃げ場がない。
「昔のままの人ってさ、
そもそもそれに気づかないで終わるんだよ」
その言葉に、
ふと昔の自分を思い出す。
何も知らなかった頃。
何でもできると思っていた頃。
“足りない”なんて考えたこともなかった。
「……それって、いいことなのか?」
自分でもわからないまま、問い返す。
栞奈は、少しだけ笑った。
「いいか悪いかじゃなくてさ」
一拍置いて、続ける。
「“そこからどうするか”でしょ」
その言葉が、静かに落ちる。
胸の奥に。
「足りないって思ったまま終わるか、
足りないから埋めようとするか」
カップの中のコーヒーが、少し冷めている。
でも、その言葉はやけに熱かった。
「どっちも選べるじゃん」
沈黙が落ちる。
でも今度は、さっきまでの沈黙とは違う。
逃げるための静けさじゃない。
考えるための静けさだった。
「……怖いんだよ」
やっと出た言葉だった。
「またダメだったらって思うと、
もう一回やるの、怖い」
視線を落としたまま、続ける。
「どうせまた足りないって思うなら、
最初からやらない方がマシじゃんって思う」
その言葉は、
ずっと胸の奥にあった本音だった。
栞奈は、少しだけ黙る。
すぐには答えなかった。
「うん、わかるよ」
ゆっくりと、そう言った。
その一言で、
少しだけ肩の力が抜ける。
「私もさ」
そう言って、栞奈は視線を外す。
窓の外に、少しだけ目を向ける。
「ずっと、自分のこと嫌いだったよ」
その言葉に、思わず顔を上げる。
「何やっても中途半端で、
ちゃんとできたことなんてなくて」
少しだけ笑う。
でもその笑いは、
どこか苦かった。
「でもさ、あるとき思ったんだよね」
カップを指でなぞりながら、続ける。
「嫌いなままでも、別によくない?って」
一瞬、意味がわからなかった。
「無理に好きにならなくてもいいし、
完璧にならなくてもいい」
「でも?」
自然と、言葉が出る。
栞奈は、少しだけ笑った。
「それでも生きていくしかないじゃん」
その言葉は、
あまりにもシンプルで、
あまりにも現実だった。
「だったらさ」
少しだけ前に身を乗り出して、
「どうせ生きるなら、
ちょっとでもマシな方、選んだ方がよくない?」
胸の奥で、何かが音を立てた。
「怖くても、
ダメでも、
足りなくても」
「それでもやる方が、
“何もしないで終わるよりマシ”って思えるなら」
「それで十分じゃん」
言葉が出ない。
でも、何かが少しずつ動いている。
昨日まで、ただ重かった“足りなさ”が、
少しだけ違う意味を持ち始めている。
欠けていることは、
終わりじゃない。
むしろ、始まりかもしれない。
そんな考えが、
ゆっくりと、でも確実に広がっていく。
「……めんどくさいな」
ぽつりと呟く。
栞奈が笑う。
「でしょ」
その笑いにつられて、
少しだけ笑ってしまう。
完璧じゃない。
まだ何も解決していない。
それでも。
ほんの少しだけ、
昨日より、呼吸がしやすくなっていた。
第五章:触れた温度
カフェを出ると、空気が少しだけ変わっていた。
昼と夜の境目みたいな時間。
空はまだ薄く明るいのに、
街の灯りはもう点き始めている。
その曖昧さが、
今の自分の状態と重なって見えた。
「帰る?」
栞奈が、歩きながら聞く。
「……どうしよ」
すぐに答えが出ない。
帰ったところで、
あの部屋があるだけだ。
何も変わらない空間。
さっきまでの感覚が、
また少しずつ沈んでいく気がした。
「じゃあ、ちょっと歩く?」
軽く言う。
まるで最初から決まっていたみたいに。
「うん」
気づけば、そう答えていた。
並んで歩く。
歩幅を合わせるでもなく、
でも自然と揃っていく距離。
言葉は、少なかった。
でも、不思議と気まずくない。
街の音が、やけに優しく聞こえる。
車の走る音。
遠くの話し声。
コンビニの自動ドアの開く音。
全部が、ちゃんと“現実”に戻ってきている感じがした。
「ねえ」
栞奈が、ふと口を開く。
「覚えてる? 高校の帰り道」
その一言で、記憶が引っ張り出される。
夕焼けの中、くだらない話をしながら歩いた帰り道。
コンビニでアイス買って、
何時間も無駄に過ごしてたあの日々。
「……覚えてる」
小さく答える。
「なんかさ」
栞奈は少し笑う。
「今とあんまり変わってないね」
その言葉に、少しだけ驚く。
変わっていない?
こんなに違うのに。
あの頃と今じゃ、
持ってるものも、失ったものも、全然違うのに。
「そうか?」
「うん」
即答だった。
「こうやって歩いてる感じとか、
なんか、そのままって感じ」
少しだけ前を歩きながら、振り返る。
「ただ、ちょっとだけ」
一瞬だけ間を置いて、
「ちゃんと悩むようになっただけ」
その言葉に、思わず苦笑する。
「それ、成長ってやつ?」
「どうだろ」
肩をすくめる。
「でも、悪いことじゃないと思うよ」
風が少しだけ強く吹く。
栞奈の髪が揺れる。
その一瞬に、
なぜか目を奪われる。
視線を逸らす。
気づかれたくない、というより、
自分でも戸惑っていた。
こんな風に誰かを意識するのは、
いつぶりだろう。
歩きながら、ふと足元を見る。
影が、少しだけ重なっている。
そのときだった。
ほんの一瞬。
指先が、触れた。
偶然だった。
ただ、歩くリズムが合っただけ。
それなのに。
心臓が、うるさいくらいに鳴る。
反射的に、離そうとする。
「……ごめん」
そのとき。
ほんの少しだけ。
ほんの一瞬だけ。
栞奈の指が、こちらを掴んだ。
離さないほど強くはない。
でも、“触れていることをやめない”くらいの力。
「……別に、いいよ」
その声は、すごく自然だった。
頭が真っ白になる。
何も考えられなくなる。
ただ、わかるのは一つだけ。
さっきまでより、
世界の温度が、少しだけ上がっている。
手のひらから伝わる、微かな熱。
それが、胸の奥まで届いていく。
何も言えない。
でも、それでよかった。
言葉がなくても、
何かが確実に伝わっている気がした。
しばらくして、ゆっくりと手が離れる。
その瞬間、少しだけ寂しさが残る。
でも同時に、
確かに“何かが変わった”感覚もあった。
「……なあ」
気づけば、声が出ていた。
「もう一回、やってみようかな」
自分でも驚くくらい、自然な言葉だった。
栞奈は、一瞬だけ目を見開いて、
すぐに笑った。
「いいじゃん」
それだけだった。
でも、それで十分だった。
“やってみよう”と思えたこと。
それ自体が、
昨日の自分にはなかった変化だった。
足りないままでいい。
完璧じゃなくていい。
それでも。
“やる”ことは、選べる。
街の灯りが、少しずつ増えていく。
夜が、ちゃんと来る。
でもその中で、
ほんの少しだけ、
前に進んでいる自分がいた。
第六章:再起
「もう一回、やってみようかな」
あの言葉を口にしたあと、
自分の中で何かが確実に変わっていた。
大きな決意じゃない。
覚悟なんて、まだできていない。
でも、“完全に止まっていた状態”からは抜け出していた。
部屋に戻る。
昨日と同じはずの空間。
散らかった机。
閉めっぱなしのカーテン。
空気の重さ。
全部、同じ。
でも。
「……やるか」
小さく呟く。
それだけで、少しだけ空気が動いた気がした。
カーテンを開ける。
夜の街の光が、部屋に差し込む。
昨日までは、ただ眩しいだけだったその光が、
今日は少しだけ現実的に見えた。
机の前に座る。
ノートパソコンを開く。
画面が点く。
それだけで、少しだけ緊張する。
久しぶりに触るデータ。
途中で止まっていた研究のファイル。
未完成のまま放置された思考。
「……全然ダメだな」
思わず苦笑する。
理解が追いつかない。
頭がうまく回らない。
少し前まで当たり前にできていたことが、
できなくなっている。
でも。
「まあ、こんなもんか」
意外と、受け入れられていた。
完璧じゃなくていい。
すぐに結果が出なくてもいい。
“やっている”という事実だけで、
今は十分だった。
少しだけ進めて、
少しだけ詰まって、
また少し戻る。
その繰り返し。
でも、その一つ一つが、
確実に“止まっていない証拠”だった。
気づけば、時間が経っていた。
時計を見ると、深夜を回っている。
「あ」
ふと、スマホを手に取る。
メッセージ画面を開く。
「栞奈」
少しだけ迷って、
短く打つ。
「ちょっとだけやってみた」
送信する。
すぐには既読がつかない。
その時間が、
少しだけ不安を呼ぶ。
“こんな報告、いらなかったかもしれない”
そんな考えが頭をよぎる。
でも、その直後。
――既読。
数秒後。
「いいじゃん」
たった一言。
でも、その一言が、
やけに嬉しかった。
「それで十分だと思うよ」
続けて届いたメッセージ。
思わず、少し笑う。
“十分”
昨日までの自分にとっては、
一番遠かった言葉。
でも今は、
少しだけ近くに感じる。
「なあ」
気づけば、またメッセージを打っていた。
「また会える?」
送信してから、
少しだけ息が詰まる。
これは、ただの確認じゃない。
自分の中で、
もう一歩踏み出す行為だった。
数秒。
少し長く感じる時間。
――既読。
「いいよ」
すぐに返ってきた。
その二文字を見た瞬間、
胸の奥が、静かに熱くなる。
「今度は、もうちょっとゆっくり話そうよ」
その一文に、
昨日とは違う意味が含まれている気がした。
ただの再会じゃない。
ただの懐かしさでもない。
少しずつ、
確実に、
“今の2人”としての関係が始まっている。
スマホを置く。
部屋を見渡す。
同じ場所。
同じ空間。
でも、昨日とは違う。
少しだけ、
ちゃんと前を向いている自分がいる。
足りないままでもいい。
不完全なままでもいい。
それでも。
“やる”と決めたことと、
“誰かと繋がっている”こと。
その二つが、
確かに、今の自分を支えていた。
「……悪くないな」
小さく呟く。
そして、もう一度パソコンに向き直る。
さっきよりも、
ほんの少しだけ軽い気持ちで。
未来は、まだわからない。
でも。
少なくとも今は、
止まっていない。
第七章:重なりはじめるもの
あの日から、少しずつ日常が変わっていった。
劇的な変化じゃない。
でも確実に、
“止まっていた時間”が動き出していた。
朝、少しだけ早く起きる。
カーテンを開ける。
光を浴びる。
それだけのことなのに、
前よりもちゃんと「一日が始まる」感覚があった。
机に向かう時間も増えた。
相変わらず、うまくはいかない。
理解できないことの方が多いし、
途中で手が止まることもある。
でも。
「……まあ、いいか」
そう思えるようになっていた。
“できない自分”に対して、
前ほど苛立たなくなっている。
足りないことを、
否定じゃなくて“前提”として受け入れ始めていた。
その変化は、小さいようで、
確実に大きかった。
研究室にも、少しずつ顔を出すようになった。
以前のように中心にいるわけじゃない。
でも、完全に離れるわけでもない。
「最近、来てるな」
先輩に軽く言われる。
「まあ、ちょっとだけ」
曖昧に笑って返す。
そのやりとりすら、
少し前の自分にはできなかったことだった。
逃げずに、そこにいる。
それだけで、
少しだけ自分を許せる気がした。
そして。
「……今日、会うんだっけ」
スマホの画面を見る。
栞奈との約束。
あの日以来、何度かやり取りはしていた。
短いやり取りばかり。
でも、その一つ一つが、
確実に距離を縮めていた。
“会いたい”と思う頻度が、
少しずつ増えている。
それに気づいたとき、
少しだけ戸惑った。
これは、ただの懐かしさじゃない。
もっと、今の自分に近い感情。
でも、まだ名前はつけられなかった。
待ち合わせ場所に向かう。
少し早めに着く。
落ち着かない。
理由はわかっている。
「……なんだよこれ」
小さく笑う。
緊張している。
ただ会うだけなのに。
でも、それだけじゃない。
“どう思われるか”を考えている自分がいる。
それが、少しだけ新鮮だった。
「おまたせ」
背後から声がする。
振り向く。
栞奈が、そこにいた。
「いや、今来たとこ」
自然に言えた。
少しだけ歩きながら、
他愛もない話をする。
学校の話。
最近見たもの。
どうでもいいようなこと。
でも、その“どうでもいい会話”が、
やけに心地よかった。
「ねえ」
栞奈が、ふとこちらを見る。
「ちょっと顔変わったね」
「え?」
思わず聞き返す。
「なんか、前よりちゃんとしてる」
少しだけ笑いながら言う。
「それ褒めてる?」
「うん、褒めてる」
即答だった。
その一言で、
胸の奥が、少しだけ温かくなる。
“ちゃんとしてる”
それは、
今の自分が一番欲しかった言葉かもしれない。
「……そっか」
それだけしか言えなかった。
でも、それで十分だった。
少し歩いたところで、
ふと立ち止まる。
「なあ」
気づけば、口にしていた。
「俺さ」
言葉が詰まる。
でも、止まらなかった。
「まだ全然だけど、
もうちょっとやってみようと思ってる」
栞奈は、黙って聞いている。
「前みたいにうまくいくかわかんないし、
またダメかもしれないけど」
一度、息を吸う。
「それでも、やめないでやってみる」
言い切った瞬間、
胸の奥が少しだけ軽くなる。
“決めた”という感覚。
それは、誰かに言うことで、
初めて形になるものだった。
少しの沈黙。
栞奈が、ゆっくり頷く。
「うん」
それだけだった。
でも、その“うん”には、
ちゃんと重さがあった。
「いいと思う」
その言葉に、
不思議と迷いが消えていく。
正解じゃなくていい。
でも、
間違ってはいない気がした。
そのとき。
ふと、視線が合う。
ほんの一瞬。
でも、逸らせなかった。
胸の奥が、また強く鳴る。
――ああ
やっと気づく。
これはもう、
ただの“再会”じゃない。
ただの“救い”でもない。
「……俺さ」
もう一度、言葉が出る。
「多分、栞奈のこと――」
そこまで言って、止まる。
言ってしまっていいのか、
一瞬迷う。
でも。
栞奈は、逃げなかった。
ただ、まっすぐ見ている。
その視線に、
背中を押される。
「……ちゃんと、好きになってる」
言った瞬間、
世界が少しだけ静かになる。
怖さもあった。
でも、それ以上に、
“ちゃんと伝えた”という感覚が残った。
数秒の沈黙。
長く感じる。
でも、逃げなかった。
栞奈は、少しだけ目を細めて、
小さく笑った。
最終章:それでも、笑っていこうぜ
「……ちゃんと、好きになってる」
言葉にした瞬間、
逃げ場がなくなった気がした。
引き返せない。
ごまかせない。
ただ、ここにある感情だけが、残る。
栞奈は、すぐには答えなかった。
少しだけ視線を落として、
何かを考えるように、静かに息を吐く。
その時間が、やけに長く感じる。
でも、不思議と怖くはなかった。
逃げなかったから。
ちゃんと、自分の言葉で伝えたから。
「……そっか」
やっと返ってきた言葉は、
とても静かだった。
顔を上げる。
栞奈は、少しだけ困ったように笑っている。
「ずるいな、それ」
「え?」
思わず聞き返す。
「そんなタイミングで言われたら、
ちゃんと考えなきゃいけないじゃん」
その言葉に、少しだけ肩の力が抜ける。
拒絶じゃない。
でも、簡単な肯定でもない。
ちゃんと向き合ってくれている。
それだけで、十分だった。
「でもさ」
栞奈は、ゆっくりと続ける。
「今のあんた、嫌いじゃないよ」
その一言が、
胸の奥に、じんわりと広がる。
「前よりちゃんと悩んで、
ちゃんと向き合ってる感じがする」
少しだけ照れくさそうに笑う。
「そういうの、いいと思う」
それは、恋の返事としては曖昧で、
でも、人としては確かな肯定だった。
「だからさ」
一歩、近づく。
「今すぐ答え出すんじゃなくて、
もうちょっと一緒にいない?」
その言葉に、
胸の奥が、静かに熱くなる。
“選ばれた”わけじゃない。
でも、“拒まれてもいない”。
その曖昧さが、
今の自分にはちょうどよかった。
「……うん」
自然に頷く。
それでいいと思えた。
完璧な答えじゃなくていい。
完成された関係じゃなくていい。
途中でいい。
不完全でいい。
そのまま、また並んで歩き出す。
夜の街は、すっかり暗くなっていた。
でも、街灯や店の明かりが、
ちゃんと道を照らしている。
未来も、きっと同じだ。
全部が見えるわけじゃない。
でも、少し先くらいなら、
ちゃんと見える。
「なあ」
歩きながら、ふと口にする。
「俺さ、やっぱりもうちょっと頑張ってみる」
栞奈は、隣で軽く笑う。
「うん、知ってる」
その一言で、
なぜかすべてが肯定された気がした。
「足りないままでさ」
「うん」
「それでも、やってみる」
「うん」
短い会話。
でも、それで十分だった。
悲しみも、
後悔も、
足りなさも、
全部、消えるわけじゃない。
でも。
それがあるからこそ、
前に進める。
それがあるからこそ、
誰かとちゃんと向き合える。
ふと、笑ってしまう。
「……ああ、もう疲れたな」
本音だった。
でも、そのあとに続く言葉は、
少し前とは違った。
「――でも、まだやれる」
栞奈が、横で小さく笑う。
「でしょ」
その笑いにつられて、
また少し笑う。
完璧じゃない。
理想通りでもない。
でも。
“ここまで来た自分”と、
“これからの自分”を、
少しだけ好きになれそうな気がした。
夜風が、少しだけ優しく吹く。
その中で、僕は小さく呟いた。
「もう、笑っていこうぜ」
それは、
過去の自分への言葉であり、
これからの自分への約束だった。
~完~
彼女側の視点ストーリも書いてみましたのでもしよろしければ読んでみてくださいρ(._.*)ρ
プロポーズ篇も書いてみましたのでもしよろしければ読んでみてくださいρ(._.*)ρ
また、他にも『Vaundy』の名曲を紹介しておりますので併せてご覧くださいρ(._.*)ρ








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